死地を越えよ

22歳くらい

恋人ができたんだ、君の調子はどう

aiko メンヘラ】で検索し、出会ってしまったあの日から、私はMy Hair is Bad(以下マイヘア)のことを気にかけている。(初回ブログ参照)

aikokikutokuraiko.hatenablog.com

マイヘアのニューアルバム『woman's』が10月19日にリリースされるに先立って、その中の『恋人ができたんだ』のMVがYouTubeで公開された。これがまた素晴らしかった。注目すべきは、この曲が恋人ができたという歓喜の叫びではなく、新しい恋人ができたことを前の彼女に伝える曲であるという点だ。

恋人ができたんだ、本気で好きと思う子なんだ、君には似ても似つかないんだ、先のことも考えてるんだ、遊園地にも一緒に行ったよ、君の調子はどう?

かいつまむと曲の前半は上記のようで、本気で好きな恋人ができたのに、なぜだか君(前の彼女)のことも気にしてしまう複雑な心中が描かれている。そして、以下サビ。

出会ってしまった 通じ合ってしまった

それは消せないけど

奪ってしまった 奪われていった

心を返してもう眠ろう

 街ですれ違ったって 思い出したって

話しかけないでね

恋は薄まって でも愛はまだ残っているよ

もう会えないよ

だって 恋人ができたんだ

~省略~

でも もしも 君を知らなかったら

今の 恋人も 好きになっていなかったんだろう

 つまり、「僕たちが出会って恋人になって、そういう事実は確かに会ったけど、一旦心の奥にしまおう。街ですれ違ったら、本当は話したいけど話しかけないでね。それに、もう会えない。だって恋人ができたから。でも恋は終わったけど、それでも君のこと大事に想ってるよ。君を知ったからこそ、今の僕があるんだ。」と言っている。

もう新しい恋人がいて、その子のことはちゃんと好きなわけだから、君に対するこの思いは未練とは違う何かだ。未練のようだけど、未練と一括りにはできないような何かだ。この未練とは違う何かをうまーく描いてるなと私は思った。(偉そうにスイマセン。)人には言えないことや、言ってもわかってもらえなさそうなこと、また、言語化できない湧き上がる衝動などを、人は時に絵画や音楽や文学などに注ぎ込んで消化しようとするものだと思う。この歌はまさにそれなんだと感じた。爽快な女々しさを孕んでいる。エネルギーをぶつけて創られたに違いない素敵な歌だ。私はマイヘアが大好きだ。椎木智仁の綴る歌詞の大ファンだ。

しかしながら、この曲は視点を変えて前の彼女の気持ちになると、いささか浸ってはいられない気分になる。何が理由で別れたのかは存じ上げないが、こんな歌うたわれたら、なに思い出を美化してんだバカヤローと私は思う。街で会っても話しかけるな?話しかけるもんか。話しかけたいのはそっちだろ。そもそも新しい恋人との話を聞かせるな。ったく、男ってやつはこれだから。※私はマイヘア好きですよ。

更に言えば、もし自分が新しい彼女だとしたらあまりにもいたたまれない。辛すぎる。こういう時、「本気で好きだ」とか「将来を考えてる」とか、そんな言葉は女の中でなかったことになる。プラスの情報は頭に入らず、ただただ、「元カノが忘れられない今カレ」というマイナスだけがインプットされる。かといって、彼に問い詰めることもできない私は冷たい廊下ですすり泣くだろう。(すべて妄想)

はじめは、あ~切ない~と思って聴いていたのに、三者三様の思惑に気づいてしまってから、ますます切なくなってしっまった。椎木さんは罪な男だ。


My Hair is Bad – 恋人ができたんだ (Official Music Video)